2016年12月18日日曜日

ICTと生産性と日本の将来と

ときどき(しょっちゅう?)センセーショナルだが怪しげな記事を出す東洋経済のサイトなので、鵜呑みにするのはいけないが、「日本は、ついに「1人あたり」で韓国に抜かれる:生産性向上を阻む「昭和の思考」という呪縛」が指摘している統計データは決して新しいものではない。

バブルの頃の記憶があると、日本は豊かな国という意識があり、ある意味それは決して間違っているわけではないが、2年前にも書いたとおり、いわゆる「先進国」の中では真ん中ぐらい。



なおがアメリカで教育を受けるのは今回で2回目。

前回も今回も、小学校におけるICT、つまりコンピュータとインターネットを利用するスキルの取り扱いが日本と大きく違うのが気になる。

前回はGrade 3で、教室ではコンピュータでワープロを使って作文を書いていた(しかも、グーグル・ドキュメントで先生と生徒がシェアするというハイテクさ!)。サイエンス・フェアの発表も、ワープロでタイプして印刷して仕上げていた。

Grade 5の今年は、さらにパワーポイントでスライドを作ったり、ネット検索で資料を集めたり(多少いい加減過ぎるきらいがあるが)。

「宿題をやらなくちゃ!」と自宅の食卓でノートパソコンに向かってカチャカチャとキーボードを叩いて作文を書いている姿は、まるで大学生のようだった。



日本の小学校ではどうかというと、一応タイピングの練習をするらしいが、それだけ。とってつけたような扱いで、他の科目と統合されているとは言いがたい状況のようだ。

学校で使っているわけではなく、自宅でも使っていない。国際比較で見たことがあるが、経済規模の割に、自宅でパソコンを使っている子どもが少ない。

スマホの普及に伴い、必要性が感じられないためか、パソコンを所有している家庭が減り、大学でもパソコンを使ったことがない新入生が数年前に比べて逆に増えているとか。

一方、アメリカの大学では、教室を覗くと9割の学生がノートパソコンを広げて授業を受けている。



日本では、入試で測られる「学力」がすべてであるとする昔からの学力観が未だに教育界でも保護者の間でも中心的で、紙と鉛筆を使った勉強にとって邪魔となるパソコンやスマホ、インターネットはマイナス要素として考えられているのではないかと思う。

確かに気が散る要素が満載ではあるけれども、自分の知的能力を拡大する装置としてパソコンとネットを考えた場合、これを常時利用しない大学生というのはナンセンスだろう。

電子黒板だの電子教科書だの、教育界と産業界がくっついて色々ごちゃごちゃやっているようだが、どうにもピントがずれているとしか思えない。

現代のオフィスワークではコンピュータが不可欠なのに、こんなことで大丈夫なのかな、と日本の将来がちょっと不安になる。



親子英語家庭への個人的なアドバイスとしては、スマホだけでなく、パソコンを子どもが使えるようにしておくこと、そしてプログラミングはさておき、最低限タイピング、できればタッチタイピングを子どもにマスターさせておきたい。

大企業から派遣されてきたビジネス・スクールの学生さんがタイピングが苦手で苦労しているという話を聞くと、本当にもったいないと思う。

また、電子メールの取り扱いに加え、できればアプリケーションの起動などのパソコンの基本動作、さらには簡単なメンテナンスなどもできるように。

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