2016年7月21日木曜日

英検について考える

今さらだが、2016年度から始まった英検の合否判定の変化について。

専門家が語り尽くしているのかもしれないが、保護者の視点からちょっと考えてみた。

今回の変化はかなり大きなもので、問題そのものは作文以外は変わりがないようだけれど、結果としての合否に大きな影響を与えたようだ。公式なお知らせは、こちら
技能ごとに問題数は異なりますが、問題数に関係なく、各技能にスコアを均等に配分しています。
したがって、技能ごとに1問あたりのスコアへの影響は異なります。
ただし、同じ技能の問題であれば、どの問題で正解してもスコアへの影響は同じです。
ここで、今までは語彙・文法と読解をあわせた「リーディング」該当部分が 51%、リスニングが34%、ライティングが14%だったのが、すべて33%になるという。

相対的に問1~問3の比重がぐっと下がり、作文の配点が増える。

個人的には作文の配点が33%もあるのであれば、合否の目安を知るためにも、採点基準が知りたい。

一応、以下の4点ということらしいが、それぞれ25%でいいのだろうか。

  • 内容 :課題で求められている内容が含まれているか
  • 構成 :英文の構成や流れが分かりやすく論理的であるか
  • 語彙 :課題に相応しい語彙を正しく使えているか
  • 文法 :文構造のバリエーションやそれらを正しく使えているか

また、「同じ技能の問題であれば、どの問題で正解してもスコアへの影響は同じ」という説明が気になる。以前は問題によって配点が異なるものがあったが、これからは配点が均一になるということか。



それにしても、テーマ一つで文章を一つ、それも短いもの(120~150語)を書かせて、それでライティングの力を測るというのはかなり荒っぽい。

天下の英検協会なのだから当代一流の英語教育の専門家の意見が反映されているはずなのに、なぜ、と不思議だ。

実のところ、各界からの批判を受け、英検「4技能のバランス良く」測る試験に変えるというのが目的で、その上で、検定試験としての連続性を維持するため、試験問題と構成を一切変えない、という前提があったのではないかと推測する。

すると、ちょっと荒っぽくても今回のやり方しかなかったのかもしれない。



英検は特に学校現場で一番広く使われている英語の検定試験だが、資格としてみた場合、どんな影響があるだろうか。

英検に合格していると、入試で有利になったりすることがあるが、問題が(ほぼ)一緒だとはいっても、2015年度までの合格者と2016年度以降の合格者を同等に扱ってよいのか。

問題がほぼ同じでも配点が大きく変わったので、今までは合格できた人が今回から合格できなくなることがあるし、その逆もしかり。

そもそも「英語力」というのがひとつの物差しで測ることができないからだ。

これは私の憶測でしかないが、各級の合格者は年度に関わらず同等に扱われていくのではないかと思う。

単純に扱いを変えるのは面倒だから、というのもあるし、明確な理由がないと2016年度以降を有利に扱うことを正当化するのは難しいというのもある。

大学入試では、ライティングが重要な学部や学科で2016年度以降の合格のみを認める、といったケースもでてくるかもしれない。



なおの場合、昨年度までの方式なら現在確実に合格すると思うが、現在の方式の場合、作文の採点基準が分からないし、読解問題以上にテーマに大きく左右されると思うので、なんともいえない。

とりあえずは帰国まで小学校の英語の授業で揉んでもらって、帰国したら受験してみるしかない。

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