2016年5月8日日曜日

英検1級を小学生が受ける!?なおままの感想

英検の過去問をやってみて合格圏に入ったので、なおまま本人もびっくりして喜んでいる。小学生が受ける、という視点から、試験内容についてコメントをもらったので公開しよう。

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小学生では英検1級は難しいな…と思った点は、トピックが小学生向きではないこと。
前半では、
「税金を払うとき、息子が21歳以下だけれど、もう仕事をしているので扶養に入っていないから、その分が去年より多くなっている」
「アリゾナに家を買ったが、住むためではなく、周辺の不動産価格が上がっているので投資目的である」
「旅行にいったら、予約していたはずのホテルから変更されていて、ひどい旅行になったので、旅行会社に文句を言ったら、言い訳ばかりで話にならなかったので、上のほうへメールを出した」
「銀行の特別お得な貯金プランに加入するには、定期預金と、普通預金の両方に一定額が必要で、手続きはこうなっている」
こういうタイプの「子供が普段かかわらないこと」が出てくるので、その分、正答率が下がると思う。
「レストランはAとBどっちにする?音楽がいいほう?それともすいているほうがいい?」とか、「スキー旅行にいこうかどうしようか、スキーが苦手だから、悩んでいる」というようなある程度子供でも、実生活に関連させられるものは、小学生高学年で、年齢相応の本が読めているのなら、正解が出せる部分になると思う。

後半の読解では、自然科学、動物とか自然とか、エコ問題とか…というようなテーマは、図鑑とか、なぜなに系統の本が好きなら大体、こんな感じ…というのはわかりやすいけれども、試してみた回の問題では、例えば、アメリカの1800年代に貧しい移民から、投票を不正に買い取り、政治を牛耳って私腹を肥やしていた人がいた。その歴史と出来事が現代にもたらした影響とは。
交通事故率を下げるにあたって、どんなデータがあって、だれが書いた論文がもとになっている説があって、それを実際にやってみるとするとどうか。
劣悪な住環境を政府がお金を出して改善させることで、どんな効果が出た、または出なかった話。
…というような、歴史、政治や経済、技術、福祉…とかの問題は、大人ならある程度常識に照らして「経済界の息のかかった政治家を擁立することで背後の人にお金が入ってくる仕組みって今もあるよね」とか、「こういう説があるなら、じゃあ、こういうことをやったら、交通事故が減ると言いたいんだろうなあ」とか、詳しく書いていないことでも、「いくらこの文章の中だけとはいえ、この選択肢は、ないな」と、選択肢を絞れるところが、子供には、「大体の仕組み」がわかっていないことが多すぎて、大人向けの新聞、雑誌がある程度読めるぐらいに、世の中のことに理解が進んでいないと、「一体、何を言っているの?」「なぜ、そうなるの?」というところで思考停止になりやすいと思う。
選択肢も、「ピッタリ!もうこれしかない!」というものより(急いで読んで、飛ばしたところもあるので、そうなっただけかもしれないけど)「えーーー。これ?でも、残りの3つ「ではない」のは確かだから、これか…」というのがいくつかあった。選択式のテストを受けるときの技術として、「消去法で一番近いのを選んでおく」というのが出来る年齢にならないと、「どれか、わからない。どれも違う気がする」となると思う。

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正直、手っ取り早く何かの教材に取り組むというよりは、総合的に子どもの社会への関心・理解力を深めるような取り組みをしていくしかないだろう。

まあ、まだ先の話だ。まずは準1級から。

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